あいづの作り手

会津の米・酒を支える匠たち2023

恵まれた気候と豊かな水から生まれる、会津の米と酒。
こだわりの米づくり、酒造りを追い求める匠たちの意気込みをお聞きしました。

福島県日本酒アドバイザー
(元福島県ハイテクプラザ 会津若松技術支援センター 副所長兼醸造・食品科長)

鈴木 賢二(すずき けんじ)さん

福島県の「全国新酒鑑評会金賞受賞」快進撃は会津地域から
「日本酒の神」が語る会津清酒の魅力。

鈴木さんは、福島県の日本酒の品質の飛躍的な向上と、全国新酒鑑評会(全国規模の清酒コンテスト)での金賞銘柄数9回連続「日本一」の影の立役者であり、尊敬を込めて「日本酒の神」と呼ばれています。

鈴木さんが福島県ハイテクプラザで日本酒の担当に就いた平成5年頃は、高級日本酒ブーム。ハイテクプラザに「清酒アカデミー」が開講され、「これからは全国新酒鑑評会で金賞が取れる、美味しい酒を造らなければ」という機運が高まっていました。当時の福島県は普通酒が主流であり、地元では会津の酒も美味しいとの人気と評判でしたが、賞を獲るまでには至りません。吟醸、大吟醸などの美味しいお酒を作るための情報も少なく、蔵元同士で情報交換しながら試行錯誤していました。

そんな中、鈴木さんは平成14年に、それまでは杜氏(酒造りの最高責任者)の経験や勘で行っていた吟醸酒造りのポイントをまとめた「福島流吟醸酒製造マニュアル」を作成。はじめは受け入れられなかったものの、当時の会津杜氏会長だった佐藤寿一さんがマニュアルを絶賛。これを取り入れた会津の蔵元から金賞が出始めたのがきっかけで、鈴木さんのマニュアルは広く福島県の蔵元に浸透していきました。その結果、平成18年鑑評会で福島県は23個もの金賞を受賞し大ブレイク、新潟県を抜く快挙を打ち立てました。この結果は蔵元の自信にもつながり、その後安定して金賞を取り続け、9回連続の「日本一」へ歩んで行きます。中でも会津の蔵元の受賞数は多く、日本一に大きく貢献しました。

鈴木さんは会津の酒を「会津の酒は良い軟水で仕込んだ甘口タイプで、呑んでほっとする味。飽きが来ず、燗にしても良い、郷土料理にも良く合います。」と評し、各蔵元のレベルも高く、以前より品質が高くなっていると語ります。審査会を多く開いたり、若手の蔵元同士が品評し合うなど、探求する姿勢が品質に繋がっているそう。

今後、さらに高みを目指すであろう、会津地域の蔵元の一層の活躍が楽しみです。

あいづの厳選米推進協議会 生産部会会長

長谷川 泰道(はせがわ やすみち)さん

生産者の想いが美味しさとなった会津産厳選コシヒカリ
「AiZ'S-RiCE」をぜひ食べてみてください。

全国有数の米どころ会津地方。特に会津産コシヒカリは「食味ランキング」で10年連続「特A」を獲得しています。その中でも栽培方法や食味などによって「厳選」したものが、会津産厳選コシヒカリ「AiZ'S-RiCE(アイヅライス)」です。会津清酒の酒粕を肥料として使用し、食味値80点以上(玄米タンパク質含有率6.4%以下)の美味しいコシヒカリだけが認定され、出荷されます(注1)。また、安全・安心にも配慮し、使用できる農薬も制限されています。

長谷川さんは就農6年目で、米作り一筋。「厳しい基準をクリアし、みんなが美味しいと言ってくれる米作りに挑戦したい。」との思いで「AiZ'S-RiCE」に力を入れています。他の米の何倍も栽培に神経を使いますが、認定を受けたときはこの上のない喜びだとか。

現在は13人の生産者が「AiZ'S-RiCE」の品質向上と普及に切磋琢磨しています。令和4年産米では、「米・食味分析鑑定コンクール国際大会」で「ベストファーマー」に認定、美味しいお米として認められました。今後はコンクール最高峰の金賞を受賞するべく、さらなる努力を重ねていきたいと熱意を新たにしています。

「AiZ'S-RiCE」の評価があがることで、会津のお米全体の美味しさが、さらに全国に広まっていくことでしょう。

注1:食味値は70点を超えると70~80%の人が美味しいと感じると言われています。また、タンパク質が少ないお米は吸水が良く、炊き上がりがふっくらとした美味しいご飯になります。

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