食文化研究家 平出 美穂子 先生に聞く
会津みしらず柿のおいしい話! 〈その一〉
会津みしらず柿は、甘柿? 渋柿?
ふくしまの食文化研究家
平出 美穂子 先生
会津みしらず柿は渋柿です。柿の渋みのもととなる成分は「タンニン」で、焼酎などで渋抜きして出荷されます。渋抜きしてからの保存期間はおおよそ1ヶ月程度と短いので、なるべく早めに食べるようにしましょう。
実に含まれる栄養成分
柿の赤み成分はカロチノイドで、ビタミンA やビタミンC 、カリウム、食物繊維などの栄養素を豊富に含みます。特にビタミンCは100gあたり70mg程と多く含まれ、柿を1個食べれば一日に必要な摂取量を摂ることができます。また渋み成分のタンニンはアルコールの分解を助け、カリウムが利尿に作用し、二日酔いに良いとされています、アルコール「摂取前」に食べるのが効果的だそう。
古くから様々に活用されてきた
干し柿は精進料理に欠かすことができない食材です。砂糖が手に入らない時代は調味料として、熟した実をたくあん漬けの甘味料として、さらに発酵させて柿酢にするなど、多彩に利用されてきました。また、柿の葉はビタミンC、Kが含まれ、お茶や柿の葉寿司などに使われてきた他、血液凝固作用があるため、古く戦国時代、武田信玄は柿の葉を戦場に持参させ、傷の治療に利用した、と伝えられています。
食文化研究家 平出 美穂子 先生に聞く
会津みしらず柿のおいしい話! 〈その二〉
しその葉で干し柿を包んだ「干し柿のしそ巻き」や、渋抜きされたみしらず柿と会津産の胡桃でつくる「胡桃あえ」が会津ならではの食べ方です。
渋抜きした柿はサラダや和え物、干し柿は甘さを生かしてケーキやパイなど、柿で料理の幅が広がりますよ!
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柿と大根のなます
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干し柿のパイ
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干し柿のしそ巻き
平出さんは2024年11月、みしらず柿の歴史と魅力、レシピなどをまとめた「会津身不知柿」を出版予定